家具のメンテナンス
無垢の木の家具のお手入れ方法

家具は実用品ですから長く付き合っていればぶつかることもあるだろうし、何かをひっかけて傷がつくこともあるでしょうし、水をこぼしてしまうこともあるでしょう。 そういったアクシデントが積み重なるのが生活というものです。 したがって無垢の木の家具だからといってあまり気をつかいすぎるのは疲れてしまうと思いますが、それなりの気配りをしてたまにメンテナンスをしてやればやはりいい味が出てきます。 ここで紹介するメンテナンスの方法でほどほどの配慮と手入れをしつつ使い込んでいくうちに色が濃くなりツヤも出てきて味わい、風合いを増してきます。キズや汚れも家族の歴史として受け入れる。 そういう変化をおおらかに楽しみながらお付き合いください。

日頃気をつけること

(1)家具になった後も程度の差こそあれ無垢の木は膨張と収縮を繰り返します。これを「木が動く」といいます。どんなに乾燥した木も多かれ少なかれ動きます。

例えば幅90センチのダイニングテーブルであれば冬場の乾燥した時と梅雨時のジメジメした時で軽く1センチ前後伸び縮みします。あるいは引出の開け閉め具合は夏場は渋く、冬場は逆にスカスカになったりします。

近年増えている高気密高断熱の住宅であれば収縮の度合いはさらに大きくなります。エアコンの効いた室内も同様です。

製作時に極力配慮はしているのですが、こうした木の動きのせいで納品時にはなかった新たな割れや歪みが生じることが時にはあるかも知れません。無垢の木を使う以上、そういうことも有り得るのだとご理解ください。

(2)家具を直射日光にあてないようご注意ください。またエアコンの風が直接当たらないようにしてください。板が反ったり割れたりする原因になります。


(3)テーブルの毎日のお手入れ、表面が汚れたり埃をかぶったときは水やお湯を浸した後に固く絞った布巾で拭くか、乾拭きしてください。



(4)オイルフィニッシュのテーブルトップには輪染みができやすいのでコーヒーカップなどの暖かい器や水滴がしたたっているような冷たいグラスを直接置くことは避けてください。 コースターや受け皿を使われるとよいと思います。

オイルフィニッシュという仕上げ方法は文字どおり木の表面に油分を染み込ませて汚れの付着を防ぐ方法です。 したがって水と油、基本的には水気をはじくのですが顕微鏡レベルで見ると表面に細かな隙間が残ります。 これがオイルフィニッシュならではの自然な手触りの所以であると同時に、水気がついたまま放置するとその隙間から内部に染み込んでしまいます。 それはしょうゆやソースでも同様なのでなるべく早く拭き取る必要があるわけです。

ただ、日々の使用で上述の細かい隙間が埋まってきます。使用状況にもよりますが1~2年もすればいくら放置しようとも水気が染み込むことはなくなり、気づかいがいらなくなります。それまでの辛抱です。
 

メンテナンスの方法

オイルフィニッシュの場合

2ヵ月に一度くらいの頻度でオイルを塗り込むと表面の潤いと美しい木肌が保たれます。表面がパサついてきたと感じたときもタイミングです。 方法はメンテナンスオイルを布に染み込ませて薄く塗り広げるようにして擦り込みます。メンテナンスオイルはオンラインショップでもご購入いただけます。

汚れや染みの落とし方

生活の痕跡は歴史であり味のうちと思いますがどうしても気になる場合は自分で落とせるのが無垢材+オイルフィニッシュの利点の1つです。

用意するもの

  • 紙やすり 180番と240番を1枚ずつ。
  • 当て木 名刺大の板、かまぼこ板など。
  • 布切れ(ウエス) 2~3枚(毛羽立ちの少ないものがよい)
  • メンテナンスオイル
これらをすべて含んだメンテナンスキットはオンラインショップにご用意しています。
(1)紙やすりと当て木を用意します。 まずは目の粗い180番。当て木より少し大きめに切ってください。
(1)紙やすりと当て木を用意します。
(2)当て木にセットします。
(2)当て木にセットします。これによって平面が崩れるのを防ぐことができます。
(3)汚れや染みの部分をこすります。面に平行に、また木目に沿って動かしてください。
(3)汚れや染みの部分をこすります。
(4)180番で汚れや染みを落としたら、つぎは目の細かい240番で面を整えます。
(4)180番で汚れや染みを落としたら、つぎは目の細かい240番で面を整えます。
表面の荒れた感じがなくなるようにこすってください。
(5)面が滑らかになったら木の粉を払いメンテナンスオイルを塗ります。
(5)面が滑らかになったら木の粉を払い、メンテナンスオイルを塗ります。
(6)布切れにオイルを染み込ませて、擦り込むように全体に塗り広げてください。
(6)布切れにオイルを染み込ませて、擦り込むように全体に塗り広げてください。 塗れた箇所は濡れ色になるのでわかります。
 
(7)塗り終わったら別の布切れで乾拭きをして終了です。紙やすりでこすった箇所は木の地肌があらわれるので周囲に比べて明るくなりますがしばらくすると同化してわからなくなります。
 

オイルが染み込んだ布切れは放置すると自然発火する恐れがあります。
必ずビニール袋に水と一緒に入れて封をして燃えるゴミとして処分してください

 

ソープフィニッシュの場合

ソープフィニッシュの家具にはオリーブ油を主成分とする石鹸(オリーブ石鹸、マルセイユ石鹸の1種)を水に溶かした液を使います。 その液に浸して軽く絞った布で家具を拭くと表面の汚れを落とせると同時に油分の補給もできます。
 

程度がひどい場合、どうしたらいいかわからない場合

どうぞお気軽にご連絡ください。お話を伺ったうえで最適な対応策を考えます。 いったん引き取りに伺う場合や宅配便を利用してお送りいただく場合もあります。
メンテナンスに必要なものはオンラインショップでご購入いただけます。
メンテナンスに必要なものはオンラインショップでご購入いただけます。