TVチャンピオン2『家具職人選手権』出場レポート

(ミクシー日記を転載)
その2
では続き。 stage1の課題は制限時間2時間で規定の椅子を作り、完成した椅子にそれぞれ体重100キロ超の人を座らせて床を地震発生装置で揺らして耐久性を調べるというもの。 いちばん長く壊れなかった2つがstage2へとコマを進めます。 我々出場者は家具作りのプロですからいかに悪条件下で作ったものとはいえ自分の椅子がいとも簡単に壊れる様子をテレビで全国放送されるわけにはいきません。 一方で局側があらかじめ行ったテストでは1分しかもたなかったらしく、どんなに長くとも10分以内で絶対に壊れると聞かされていました。 となれば少なくとも最初に壊れるのだけは避けねばというプレッシャーの中での競技スタートです。 撮影場所は相模原市内の倉庫。 この季節しかも早朝からの撮影だったので寒さで手先が思うように動かないのではと気がかりでしたが閉め切った屋内でストーブをガンガンに炊いていたので大丈夫でした。 出場者の作業スペースをテレビカメラが囲みます。 やぐらを組んだ上からもレンズが光っています。照明はまぶしいぐらい。 出場者それぞれにカメラマンが決まっていてわたし担当はイトーさん。 スペースは8人が横並びでわたしは最後尾。隣りは仕事の手が早いのが自慢という親子3代続く家具職人。 しかし他を気にするより自分のこと、あらかじめシミュレートしておいたパーツごとの製作目標タイムをクリアすることだけに集中しました。 いよいよ開始のブザー! 一斉に材料を取りに走り、良材を選ぶ余裕もなく上からわしづかみにして作業スペースに駆け戻ります。 と同時にあちこちからギコギコとノコギリで切る音が聞こえてきます。 わたしも淡々と寸法どおりに切り落として行きます。ゆ〜じさんの声が聞こえるけど気になりません。 目の前の材料に鉛筆やケヒキで印をつけて次々に加工を進めるだけです。 わたしはこの課題に対して秘策を持っていました。 stage1の内容は事前に出場者全員に知らされていたのでどうすれば短時間で最強の構造を作ることができるか策を練り上げていたのです。 そうして思いついた構造は完璧、それさえ実行すれば負けない自信がありました。 問題は時間、予想ではギリギリ2時間で完成するかどうかという瀬戸際でした。 猛スピードで作業を進める途中に幾度となくカメラマンのイトーさんが話しかけてきます。 「岡本さん、これ撮っていい?」と加工済みのパーツを指差します。 あまり出来がよくなかったので「それはまずいっす。次のが出来たら声かけます」とか、「岡本さんの作りで特徴的なのはどこ?」と撮影ポイントを探ってくれば「他の人と明らかに違う構造です。それがはっきりとわかる箇所の加工にとりかかったら知らせます」といったやりとりが慌ただしい中でも的確に交わされます。 実を言うとstage1の前半戦、思っていたほど加工がはかどらずこれはイカンとアクセルを全開にして急いでいたのです。 ところがそうこうしているとゆ〜じさんが寄ってきて「現時点で岡本さんが断トツに早いです!」と知らせてくれます。 なにせ隣りが早さを売りにしている人だけに「らしくない」わたしがそれより早いというのが番組的には面白い様子。 周辺は大騒ぎです。おまけに調子に乗ってわたしが「この椅子が完成すれば最強です」なんて強気な発言をしちゃったもんだから「他の7人にも話を聞いたけど、そんな自信たっぷりなのは初めてです。期待しちゃいますよ〜!」とゆ〜じさんが絶叫します。 気分をよくしてますますスピードアップ。前夜のうちに刃物はカツンカツンに研ぎ上げているので切れ味鋭く着々と加工が進みます。 TVチャンピオン名物の時間経過を知らせる電光掲示板を見上げてまだ40分も残っている段階で組み立てをはじめました。 それを見てゆ〜じさんが飛んできます。「なんと岡本さんが一番のりで組み立てをはじめました〜!」 脚部が計算どおりに組み上がり、最後は座面の取り付けです。脚の上部に加工したホゾ先と現物合わせで座面裏にホゾ穴を掘ります。 これはわけない作業。難なく終わらせていよいよ完成直前。 イトーさんに「仕上げますよ!」と声をかけると撮影班、ゆ〜じさんが集まってきました。 それを見計らって座面を軽くトントンと叩き込んで終了〜。「岡本さんが完成で〜す!」の声が倉庫中に響き渡りました。 制限時間30分残し。予想を大幅に上回るスピード。嬉しい誤算でした。 他の人の様子、耐震テストの様子はまたこのつぎに。

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